徒然日記その104. 新しい歴史教科書  (7/2) 

 話題になった、扶桑社の「新しい歴史教科書」を購入した。採用前の教科書が普通の書店に山積みになっているのにも驚いたが、思いの外売れているようで。それにも驚いている。

 さて、内容について。率直に言うと、実に面白いのである。買ってきて一晩で一気に読んでしまったくらい面白い。最近の教科書はなかなか工夫してあって国語などはかなり内容もあって面白いと思うが、社会科では不思議と面白いものに巡り会わなかった。しかしこの本は面白いのである。

 一部では、「戦前の軍国主義(全体主義)を肯定・賛美する内容でケシカラン」などと報道されているが、私の知識と照らし合わせてみても事実とかけ離れた記述は見あたらないと思うのだが。むしろ、テレビや新聞の報道の方が偏向していると感じることの方が多い。おまけに中国や韓国からの抗議である。他国の教科書、しかもまだ検定中のものにクレームを付けるなんて内政干渉である。これは、その本の内容とは関係ない話であって、非常識なのは中国や韓国の政府である。さらには、検定中の内容が外部にリークするなんて(しかも一部を誇張して取り沙汰しているように思える)、なにやら良からぬ力が働いているように感じたのは私だけではあるまい。なにはともあれ無事出版されて、日本が言論の自由を守ることのできる国であると分かって安心したが。

 「新しい歴史教科書」の内容については各人のご判断にお任せしたいので、一読をおすすめする(マスコミ報道は一部の事柄を誇張しているようであるから)。さて、今回書いておきたいことは、マスコミの偏向報道について。私は今の日本をダメにした1つの原因がマスコミだと思っているのである。例えば、TBSテレビの地雷ゼロキャンペーン。ミュージシャンの坂本竜一をはじめとするそうそうたる顔ぶれがCDを作ったものだ。キャンペーンの趣旨は素晴らしいと思うし、カンボジアの地雷の悲劇を一日も早くなくしたいものである。しかし、TBSのテレビ番組を見て私はあきれたのである。その内容とは・・・「地雷の悲劇は地雷を生産する限り続きます」これは納得。・・・「世界には地雷生産国がたくさんあります」これも納得。・・・「ロシア、アメリカなど...」ちょっと待て!地雷生産国一覧に中国が出ていないぞ。生産される地雷の実に7割は中国製のはずなんだが。この地雷生産大国の中国のことには番組中では一切ふれていないのだ。これはヘンではないのか?

 気をつけてみていれば、偏向報道ともとれる番組や記事がいたるところにあるのだ。まあ、私は日本のマスコミは先進国のそれとは思えないくらい低俗なものが大半をして占めると思っているのだが。例えば、阪神淡路大震災の時のテレビ報道を思い出して欲しい。多くの人が被災し、生き埋めになって救助を待っている人がまだたくさんいるというのに、スタジオに地震研究の専門家を呼んで「今回の地震のメカニズムは・・・」なんてやっていた(安否情報や被災情報を冷静に伝えていたのはNHKだけであった)。メディアがすべきことをきちんとやらない(というよりやれないのではないか?)のはそのメディアのレベルが低いからである。さらには彼らには特権意識のようなものもあるように思う。彼らの傍若無人な取材ぶりを目にした方も少なくないだろう。

 長野県の田中知事が、長野県庁内の記者クラブを廃止すると発言したが、大いに結構・大賛成である。「すべての表現者に開放する」そうだが、まさにその通りである。低俗で権力と癒着しているような新聞社、出版社、テレビ局など、社会の役には立たないのである。インターネットがこれほど発達した現在、マスコミに変わって世論を形成するのはミニコミだろうと思う。

 

 ところで、新指導要領では内容が大幅削減されているはずだが、現行の歴史教科書(名古屋市では大阪書籍)と比べても、「新しい歴史教科書」の見かけの厚さは変わらないようだ。

 


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