徒然日記その134. サービス過剰?サービス不足?  (3/18)

 「私立高校と公立高校はどちらがいいの?」よく受ける質問である。何を「よい」とするかが問題だが、例えば、学習指導を考えてみよう。私に言わせると私立高校は過保護だと思う。言い換えるならサービス過剰だ。例えば、定期テスト前に多量のプリントが配られる。しかも丁寧な模範解答付きだ。「これをやっておけば大丈夫」とでも言いたげなプリントで、易しい問題から順に難しい問題が並んでいる。しかも、良問ぞろいである。作った先生方は大変な思いをしたはずだ。これだけ教材が充実しているのだからそれらをしっかりこなしていけば力はつくはず。また、進学コースでは補習授業もたくさんあって、やはり内容は充実している。とにかく学力をつけさせて国公立大学(あるいは難関私立大学)に合格させてやろう、という先生方の意志が見て取れるのだ。ところが生徒達はどうだろうか。ありがたみを感じる生徒は随分少ないと思う。至れり尽くせりなのに慣れてしまって、最後は自分の意志と力が大切だということを忘れてしまっているようだ。補習授業だって「済みさえすればそれでいい」と取り組む生徒も少なくない。チェックテストではカンニングが横行しているし。

 一方、公立高校はどうだろうか。まとめプリントや補習授業もあるようだが、その量も質も私立高校に比べるとちょっと貧弱かな、と思うことが多い。授業の内容や進度にしてもそう。ここから先は私の想像でしかないのだけど、公立高校の教師には競争原理が働かない。だからテンションが低いし、指導の仕方にも工夫がないというか、一言でいってしまえばサボっているように思えるのだ。もちろん一生懸命で熱心で計画的で上手な指導をされている先生も少なくないのだが、私立高校に比べると、サボっているように思える先生の率はずっと高く感じるのである。そんな調子だから、授業そのもののテンションも低いようだ。べちゃべちゃお喋りする生徒も多い。まあ、これは私立高校でも聞くことなので、やっぱり教師は重要なのだ。教える技術はもちろんだけど、その気にさせる技術も。学習の動機付けが一番難しいことなのである。

 さて、サービス過剰な私立校、サービス不足の公立高校、どちらがいいのだろうか。ここで気付いたあなたは賢明で将来有望なんだが、「高校を選ぶ」ことにそれほど意味はないということだ。教師は交代していくのである。「どんな教師がいるか」が重要。あとは、その高校が教育方針をしっかり持って、それを実現するために何をするかがスタッフ(教師)に徹底さてれいるか、なのである。

 


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