徒然日記その139. 受験勉強の定番:赤いヤツ (5/7)

 赤いシートを知っていますか?そう、あの下敷きのような感じの赤い透明シートである。重要部分が赤字で書いてある参考書のページに、この赤い透明シートをのせると赤文字だけが見えなくなる。だから、赤い透明シートで隠したり見たりして暗記ができるというものだ。一体誰が発明したのかは知らないが、どうせこういうものは日本人の発明だろうね。

 確かに、便利ではある。いちいち机の上にノートを広げて鉛筆を持ってカリカリ書いて記憶しなくても、ちょっと参考書を広げればどこでも勉強ができる。お手軽である。しかしちょっと考えてみて欲しい。勉強って、お手軽なほどいいのだろうか?

 ちょっと眺めて記憶して、忘れたら、またちょっと眺める。眺めるだけの記憶って、大変に薄っぺらい記憶だと思うのだ。そういう勉強が全てになってしまったら、かなりヤバイと思うのだが。昔はこの赤いヤツは、せいぜい高校生用の単語集や熟語集くらいしかついていなかったんだけど、最近では中学生用の参考書にまでついている。それも国語も数学も理科も、である。そりゃ、ますます学力が低下するわけだ。五感を総動員して記憶する,じっくり考える,そしてカリカリ悩む(試行錯誤する),これこそが真の勉強だと思う。赤いヤツでは、こういう勉強は決してできないと思うんだが。


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