徒然日記その178. 筆記体を教えてよ! (2003.4.8)

 今回は中学校の英語のお話しである。英語の習い初めにはアルファベットを教わる。まあ当然である。大文字のA,B,C,・・・、小文字のa,b,c,・・・という具合である。これは今も昔も変わらないのだけれど、大きく変わった点がある。そう、「筆記体」である。私が中学生の時にはブロック体に加えて筆記体のアルファベットをきちんを習った。ところが、現在の指導要領では「やらなくてもよい」のである。だから、多くの中学校では筆記体を教えないか教えてもほんの少しであり、全員が筆記体でアルファベットを書けるようにはならないのである。

 そんな具合だから、高校に入って英語の筆記体の板書が読めず、「先生、読めないからブロック体で書いてください」となるのである。英語以外にも色々と弊害がある。例えば、高校数学の三角関数(三角比)のsin,cos,tanを教える時、「sinは筆記体のsだからこう対辺/斜辺となって・・・」というのが使えない。

 まあ、英語以外は些細なことなんだけれど(英語の授業をブロック体でやると板書に時間を食って私の場合30%スピードダウンであるからこれは大問題であるが)、だいたい、なぜブロック体なんだろうか。外国人と文書や手紙をやりとりする時、相手は必ず筆記体で書いてくる。ブロック体で書いた手紙を私は受け取ったことがない(欧米系の人間はタイプライターで打って、名前だけ自署することが多いが、名前をブロック体で書いた手紙を受け取ったことはない)。話す・聞くのコミュニケーションを重視するんだったら筆記体もきちんと教えるべきだと思うぞ。


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