徒然日記その193. 「勉強しろ」って言うよりも… (9/1)

 

 「勉強しなさい」「こんな点数(成績)とって、もう」家庭で母親が口にする言葉である。そりゃ勉強して欲しいだろうし、成績も悪いよりはいい方がハッピーなんだけど、ちょっと待って欲しい。

 だいたい、勉強しろと言ったところで「はい、わかりました。勉強します。」なんて答える子供がいるのだろうか。「成績を上げなさい」と言われて、「はい、上げます。」なんて答えるにも何をどうしたら分からないのである。だからそんなこと言っても無駄である。それどころか逆効果である。

 子供にいきなり結果を求めるのは酷である。そういう母親に限って勉強の仕方を知らないし勉強の目的もわかっていない。あるのは目先の結果(テストの成績や受験)だけである。子供に勉強させたかったら、まず勉強しやすい環境を整えることである。

 例えば、家庭に図鑑はあるだろうか。百科事典はあるだろうか。こういうものが身近にあると無いとでは、子供の物事に対する興味の育ち方がまるで違う。また、子供(小学生の時)に勉強を教えたことがあるだろうか。宿題を一緒に考えたことがあるだろうか。「塾で聞いてらっしゃい」「家庭教師の先生がいるでしょ」なんて何でもかんでも他人任せにしていたのだったら、今さら「勉強しなさい」といっても全然影響力は無いのである。

 高い学力(本当の学力のことである)とは、生活にそれなりの文化水準があって初めて身に付くものだと思う。くだらないテレビを見てゲラゲラ笑っている親が「勉強しなさい」って言ってもね。


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