徒然日記その215. 中学生レベルの大学生  (11/27)

 

 再開第一回目である。こんどは長く続きますように。さて、この半年間に感じたことを書いてみよう。まず、中学生の学力低下が加速したこと。「学力」というよりも「学習意欲」と言うべきか。いやいや、もっと次元は低い。学習に対する「姿勢」とでも言えるかな。真剣に取り組むことが出来ないのである。中3の受験生でもそうなのだ。長年教えているが、これほど勉強しない受験生は初めて見るのである。今までは、いくら怠けているヤツでもこの時期になるとそれなりに必死だったのだが。いまだ必死になれない中3多数。それでいて一丁前の第一志望校である。ここまでくると、どういう結果を出すか興味津々である。え?学習の動機付けですか?(自称)ベテランのワタシも万策尽きました。

 まあ世の中見渡してみると、学力低下は末期的とも言えるわけで、例えば、中学生以下の短大生とか大学生とか。以下、産経新聞朝刊より引用。

引用開始(改行位置は変えました)------------------------

「日本語力」低下 4年制私大、国立さえ… 「留学生以下」お寒い大学生

「憂える」=「喜ぶ」!?/短大生35%中学生レベル

 大学生の「日本語力」が低下し、中学生レベルの国語力しかない学生が国立大で6%、四年制私立大で20%、短大では35%にのぼることが独立行政法人「メディア教育開発センター」(千葉市)の小野博教授(コミュニケーション科学)らの調査で分かった。「憂える」の意味を「喜ぶ」と思いこんでいる学生が多いなど、外国人留学生より劣る実態で、授業に支障が出るケースもあるという。同教授は「入学後の日本語のリメディアル(やり直し)教育が必要」と指摘する。

 調査は十六年度に入学した三十三大学・短大の学生約一万三千人を対象に、中一から高三相当の問題を盛り込んだテストを行い、十四年度に中高生に実施したテスト結果と照らし合わせてレベルを判定した。その結果、中学生レベルと判定された学生は、五年前に行われた調査と比較して、国立大が0・3%から6%、私立大が6・8%から20%、短大が18・7%から35%と、数年間で大きく増加していることが分かった。

 テストでは「憂える」の意味を問う設問で、「中学生レベル」と判定された学生の三人に二人が「うれしい」に音感が近いためか「喜ぶ」を選択。「大学生レベル」とされた学生の中でも正答率は50%にとどまり、文字通り“憂える”結果となった。「懐柔する」は「賄賂(わいろ)をもらう」を選ぶ学生が多く、「大学レベル」の学生でも正答率は46%にとどまった。

 このテストでは、外国人留学生でも大学院生はほぼ全員が「高校レベル」をクリアしており、「留学生より日本語ができない学生が、相当数いるのが実情」(小野教授)という。国語力が低下した原因として、小野教授は「少子化のため、自己推薦など試験が必要ない入学や全員入学・定員割れが増加したことが日本語力の低下を招いている」とし、「入学後の早い時期に授業が理解できる高校生レベルまで、日本語力を伸ばすことが必要」とし、リメディアル教育の必要性を提言。

 リメディアル教育では、今年行われたテストで千二百人中二百七十人が中学生レベルと判定された埼玉県の大学が三カ月間、週に一度、ひらがな文を漢字かな交じり文に直したり、四つの単文を並べかえて文章にする訓練を行った。その結果、一部のテストで平均点が65点から96点になるなど短期間の訓練で、理解力が大きく伸びることが確認された。小野教授は「学生はダメだといわれているが、実際に(対策を)やってみると案外、伸びるという結果」とし、大学側が積極的に学生の日本語訓練に乗り出す時期にきていると指摘している。

引用終わり---------------------------------------

 こんなのが世の中の多数派を占めるようになったら、新聞を読んだって内容を理解できないだろうなぁ。「中国原子力潜水艦の露骨な領海侵犯を憂える」なんて記事を、「領海侵犯ってうれしいんだ〜」なんて思ったりして。もう笑い事じゃないところまで来ているけど。

 


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