徒然日記その82. 大学ってなあに。 (1/29) 

 今回は大学受験のお話。少子化で大学の「経営」も大変な時代である。また、大学生の学力低下も話題となる時代にあって、大学生=全然勉強しない(できない)なんていうイメージが定着した感がある。ここで考えてみたいのだが、「そもそも大学とは何なのか?」。

 大学とは?手元の新明解国語辞典(三省堂)によれば、「社会の第一線に立つべき人を養成する学校」とある。なるほど納得である。では今の日本の大学はこれにあてはまると言えるのか。「社会の第一線に立つべき人」は幅広い教養と深い専門知識を持っているはずなんだが現実はどうだろうか。私はまず大学の入学試験方法が気に入らない。たったの1教科や2教科でなぜ受験できてしまうのか。なぜ「自己推薦」なんていう入試があって論文だけで済むのか。入学試験とは選抜試験であって、入学後の学習についていけるかを試して振り落とすための試験ではないのだろうか。入学後に数学を学ぶのに(文科系だって教養課程で数学が出てくるし、経済学なんて数学中心の学問である)、受験教科に数学が無い。つまり数学が全然出来なくても合格できる可能性がある。これってヘンじゃないですか。ピアノが弾けなくて入れる音楽科はないだろうが、数学ができなくて入れる工学部や理学部や理工学部はゴロゴロある。一体どうなってるのだろう。これでは大学入学後の授業が成り立たないのも当然だ。そんな大学で「社会の第一線に立つべき人」を養成できるとは思えない。

 「どんな成績でも卒業保証」が決まり文句という大学の広報担当がいるとか。「学生は一人100万円のお客さん」と考えているらしい。そんな姿勢で「社会の第一線に立つべき人」を養成できるのだろうか。そういう大学が淘汰されることを切に願う今日この頃である。(考えてみて欲しい。そういうコトロにも莫大な助成金---すなわち税金がつぎ込まれているのだ。)

 


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