受験が近づいたら、こんな学習と生活を

 

まず、気もちの作戦を立てよう。

いよいよ十二月。あせりがでるのはとうぜんですが、あと三か月しかないと考えるのではなく、まだ百日もあると考えるようにしましょう。百日もあれば、これまでの復習ができます。苦手科目に的をしぼった勉強もできますし、なによりも、得意科目をさらにのばすことができます。十二月にはいったら、このさき百日間の学習計画、合格作戦をたててください。試験日が二月初旬の私立を志望する人は、この一か月前からのスタートになります。

 

しぶんの進路は、しぶんの意思で。

どんな学校へすすみたいのか、じぶんの意見をもたなくてはいけません。成績にみあっているから、友だちが受験するから、兄弟がかよっているから。それらは、現在の時点では決め手になるでしょうが、入学後はどうでしょう。じぶんの望む生き方が、友だちや兄弟とおなじはずはありません。成績だけで選んだ学校が、じぶんの望む学校生活と、おおきくへだたっているかもしれません。親や先生がすすめる学校があれば、その理由を聞いてみてください。じぶんの考えと照らしあわせてみてください。

じぶんの意見をもつには、学校についてのさまざまな情報を手にいれる必要があります。私立学校は、校風のちがいがはっきりしています。通学時間がかかりすぎる学校は、じぶんの自由な時間がすくなくなります。大学までエスカレーター式の学校の場合は、めざす学部がないときがあります。また、学力をはるかに上まわる学校は、もし合格できたとしても、その後の勉強についていくのにたえられるでしょうか。

じぶんは、なにをめざすのか、なにを学びたいのか、どう生きたいのか。じぶんを意思を大切に、すすむ学校を決めてください。じぶんの人生です。

お父さん、お母さんの心得。

神経が過敏になっている子どもを、重病人のように扱わないでください。あるいは、「あと一か月しかないのよ、どうするの」と、子どものあせりを増幅させるようなことは言わないでください。いつもどおりに、体調に気をくばり、やわらいだ雰囲気をつくってください。過保護も過干渉も、とくべつ扱いも禁物です。

 

受験三か月前---合格作戦の開始。

●十二月の学習

 受験する学校も、ほぼ決定しましたね。ゴールが定まったこの時期は、五教科まんべんなく学習するよりも、得意な一教科や、好きな一教科にポイントをおいた勉強をしましょう。だれにも負けない科目をつくっておくのです。そうすれば、入試までの勉強はもちろん、入試本番の時の気持ちのおおきな支えになります。自信と確信がもてれば、さらに実力もつけば、あせりや不安をふきとばすことができます。

●冬休みの学習

 苦手な科目の復習に徹しましょう。その科目を細分化し、つざに、どの部分がいちばん苦手なのかを分析してください。ひとつ、ふたつの弱点なら、冬休み中に克服できます。克服できれば、その科目全体の得点がのぴます。あたらしい参考書に手をだすのはやめましょう。じぶんの目になじんだものなら、あのぺ−ジのあの箇所というように、入試のときに思いだしやすいからです。

jj

●一月の学習

 問題集や模擬テストを、制限時間内に解く練習をしましょう。志望する私立学校や公立高校の、これまでの入試問題にもチャレンジしてください。もし弱点をみつけても、けっして、あきらめないように。はやめに集中補強すれば、まだまだ飛躍的にのぴる可能性がある時期です。また、私立学校の出題傾向をさぐり、ヤマをかけるのもいいでしょう。もちろん、ヤマ以外の勉強も必要です。面接の練習もしてみてください。姿勢や言葉づかいのチエッタを忘れずに。

●二月の学習

 ぶだんの二倍、三倍も効率よく勉強できます。気力と意欲と集中力が抜群によくなっているからです。公立高校の入試まで約一か月のこの時期は、三年間の教科書を総復習しましょう。公立の場合、教科書以外から出題されることはありません。教科書をマスターしてしまえば、満点もとれるのです。見落としや、おぼえのこしのないように復習してください。

 

●入試十日前

 入試当日にあわせた生活を実行しましょう。試験がスタートする時間までには、頭とからだがすっきりしている状態になるようにしておくのです。なによりも大切なのは、体調です。風邪をひかないよう、おなかをこわさないよう、かるい運動もして、こころとからだをベストにたもつよう気をくばってください。その日、実力のすべてを発揮するために。


健闘を祈ります。