徒然日記その113. 鉛筆の持ち方  (9/17)

 小学生を教えていて気になることがある。「鉛筆の持ち方」である。鉛筆の正しい持ち方とは、人差し指と親指で鉛筆をつまみ、ちょうど中指の第一関節手前で鉛筆を支える格好である。卓球ラケットの持ち方のいわゆる「ペンホルダーグリップ」だ。少なくとも私はこのように持つ。だから、中指の第一関節手前にペンだこができる(ちなみに私は左右両利きであるから左手の中指にもペンだこがある)。

 ところが、最近の多くの小学生は、「持つ」というよりも「握る」のである。支えるポイントがない。だから中指にペンだこがない(たこができるほど勉強してないのもあるんだけど)。気になり始めると中学生や高校生の持ち方も気になってしまった。だから観察してみたんだが、やっぱり持ち方がおかしい。まともに鉛筆(シャープペンシル)を持っている方が少ないのだ。「そんな持ち方じゃ疲れるでしょ?こうやって持つのが正しいんだよ」と持ち方を教えてみても「こんなの書きにくいもん」でおしまいである。そりゃ長年やってきた持ち方の方がしっくりくるに決まっているだろう。しかし、そんな「握る」ような持ち方ではすぐに手が疲れてしまう。私は8時間鉛筆を走らせ続けてもヘッチャラである。持ち方が正しいからだと思っているんだが。

 また、シャープペンシルの使い方も気になる。ずいぶん固い芯を使っている子が多いのだ。FとかHとか。筆圧がやたら高いので、濃くなりすぎないように固い芯にたどり着くようである。本末転倒だと思う。柔らかい芯を使って、力を入れないで書けば、疲れないしシャープペンシルもよく走る。私は2Bの芯を愛用している。

 最近子ども達は、総じて筆記用具の使い方がヘタである。シャープペンシルをカチャカチャと「修理」していて授業どころじゃない子も多い。ノートの使い方もそう。色とりどりの蛍光ペンだって何のためにあるのか。板書を色とりどりのペンを使って綺麗に写したって、肝心の話を聞いてないなら意味はない。そもそも、そうやってとったノートだって見直されることはないのだ。テスト週間に自分のノートを振り返って復習する子なんでほとんどいない。塾で作ってもらった予想問題をやった方が手っ取り早く得点できるもんなあ。小学校時代から「勉強の本質」を置き去りにしてきたツケは色々なところで見られる。こうやって考えてみると、勉強の仕方の分からない「大学生」が多いことに頷けてしまうところがとっても悲しい。

 


一つ前へ  次へ     塾日記目次へもどる   トップページへ