徒然日記その205. 学力をつける勉強と実力を出す訓練 (2/23)

 

 大学入試センター試験が終わった(1/17,18)。大学受験生の諸君、お疲れさま。気を抜かないで私立大入試と国公立大二次試験に向けて頑張ってください。そして、高校2年生の諸君は、センター試験まで1年を切ったというわけだ。しっかり準備をすすめて下さい。

 さて、今回書きたいことは、「受験勉強には二種類ある」ということだ。これは毎年、センター試験を受験する高校3年生の勉強を見ていて強く感じることである。そもそも、入試では実力以上の得点ができることはない。中間試験や期末試験などの定期試験と違って出題範囲が大変広いのだから当然である(脚注1)。では、必ず実力通りの得点ができるかといえばそうではない。むしろ実力よりも低い点数でおわる受験生の方が多い。センター試験は特にそうだと思う。

 なぜ実力通り得点できないか?それは訓練不足が原因である。規定の時間内に実力を出し切る訓練が足りないのである。センター試験では特に訓練がモノをいう。だってワンパターンの問題なんだもの。例えば英語の試験時間は80分であるが、マークシートにマークする時間や確認する時間を含めて80分で全問題を解ききるのはかなりのスピードが必要である。つまり、いくら英文の読解力や語彙力があっても、速読・速解ができないと結果は悲惨なのである。数学にしてもそうだ。特に数II・Bは計算力も要求する傾向が強い。60分で正確に速く答えを出さなくてはいけない。そういう訓練をしていないと結果はボロボロである(数II・Bの平均点が低い原因はこういうところにもあるのかも知れない)。だから、過去問を徹底的に練習しておくべきである。私の現役時代には過去問10年分全教科を指定時間よりも短い時間で解く練習をやった(繰り返しやったぞ)。

 ここで勘違いしてはいけないのは、訓練だけではいけないということだ。学力をつける勉強も必要なのである。覚えるべきことはしっかり暗記しなくちゃいけないし、苦手分野は過去問をやる前に克服しておかねばならない。つまり、受験勉強には「学力をつける勉強」と「規定の時間内に実力を出し切る訓練」の二種類があるのだ。どちらも重要なものである。そのことを知っている高校生は思いの外少ないようである。そして、この両方をやるのには時間がかかる。やりたくても間に合わない受験生も少なくないだろう。はやめに取りかかることが大切なのだ。

脚注1:とはいうものの、私立大学の入試問題を見てると、マグレで得点できそうなのがいくつもあるけど。これについてはそのうち書いてみます。


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