徒然日記その218. 教員採用試験 生徒が評価するんだってさ…  (12/23)

 

 ここまでくるとバカ丸出しである。教員採用試験で、小中学生が試験協力員として採点を行うそうだ。

引用開始---------------------------------

こうした状況の中、子ども自身の目で教員志望者を評価し、採用しようという試みが生まれました。埼玉県行田市では30人学級を実現するため、市費で教員を雇うことが決まり、先日独自の採用試験が行われました。

採用試験の模擬授業では、小中学生が試験協力員として、「わかりやすい」「親しみがある」などの6つの項目で採点を行いました。客観性や公平性などの問題から、合否結果に関しては参考程度として扱われることになりましたが、この斬新な試みには、「教師としてのより適性のある人物を採用したい」という行政側の意気込みが感じられます。実際に教わる子どもたちが「この先生から学びたい」と思うことができれば、学ぶ意欲も高まるのではないでしょうか。

引用おわり---------------------------------

あのね、学校教育のこと分かってますか?

 「この先生から学びたい」---この点には賛成である。しかし、なぜ「この先生から学びたい」と思ったかは色々あるのだ。「やさしそうだから」(あまやかしてくれそうだからじゃないの?)、「わかりやすいから」(本質を飛ばしてわかったような気にさせてくれるだけじゃないの?)、「親しみやすそうだから」(こどもに迎合してるだけじゃないの?)

 予備校の講師を予備校生が採点するのとは根本的に違うはずである。なぜなら、小中学生は学習する目的すらよくわかっていないのである。ましてや、教育とはなんぞや?なんて知るはずがないだろう。学校教育とは、子どもにそういうことを肌で感じさせて教えるものだと思うぞ。そのためには、時には厳しい態度だって必要だし、わかりにくいことを苦しみながら考えさせることも必要なはずである。子どもに教員候補を採点させて何がわかるのだろうか。教員に何を求めているのだろうか。子どもに迎合して甘やかして勉強(教科・科目)の本質からかけ離れた授業をする教員ばかりになってしまうのではないか。

 子どもに教員候補を採点させようなんて発想をする行政があって、しかも、それが通ってしまうことにたいへんな危機感をもつ。教員採用は、商品の消費者モニターとは違うのである。それが分かっていない人々が教育行政に携わっていて、それをよしとする取り巻きがいるんだから。


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