徒然日記その249. 昔のメールマガジンの原稿を(その3)  (5/7)

 

4年ほど前にはスクールネットさんはメールマガジンを発行していたのである。今回は私の寄せた原稿(その3)を紹介してみよう。基本的に修正無しのオリジナル原稿であるから、4年前の入試の仕組みや入試難易度などは現在と違っていることに注意して欲しい。

2002/5/8発行第4号の原稿

【R先生の塾日記メルマガ版】その4。高校生活って・・・

ちょっと前のことになりますが、読者の方から、第3号の記事の感想を頂きました。了解を得たので紹介してみます。

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Subject: メールマガジン3号の感想

スクール・ネット メールマガジン(第3号)とどきました。

>まず第一に、東海地方、特に愛知県は地元志向が大変に強い。

これはもうどうしようもない。コテコテの地元第1主義。例をあげれば・・

@星野監督の「阪神移籍問題」

Aイチロー中日ドラゴンズに「帰ってきてくれ」

Cお雑煮はしょうゆ味のきり餅で、具は「餅菜」、仕上げに「おいガツオ」 

地元企業も「1業種1社突出、非競争社会」が基本。R先生の指摘にもある、トヨタ、東海銀行、松坂屋、中日新聞、ドラゴンズのほかは、名鉄、ブラザー、日本ガイシ、といったところか。なお中部電力、東邦ガスは独占なのでのぞく。こういう状況になると、「競争がない」社会(状況)が生まれる。・・^

名古屋大学も名古屋の範囲だけでとらえれば、「競争がない」=「No1」なのである。これは京都に行った友達から聞いた話なのだが、「京都で『学生さん(学生ハン)』というのは京都大学の生徒だけ。同志社は『同ヤン』、立命館は『立ッチャン』」というそうだ。これも明確なヒエラルキー(選民意識?)ではあるまいか。これに名古屋大学の特殊事情が加わる。いわゆる名古屋大学以上の大学となると、東大・京大・一橋あたりが思い浮かぶ。(学部・学科によってはもっとたくさんあることと思われるが・・)これらの大学を受験するとなると・・。

@リスクをともなう。

 もし失敗して「1浪=東大、現役=名大」どちらが得?

A下宿代、「最低月10万円×12ヶ月×4年」

B長男でも長女でも、「東京へ行ってしまったら戻ってこない」

 ロ就職は地元で?

 ワ親の老後は?

 ン畑や田んぼは?

これらの状況を親(当然親も「名古屋人」)にも納得させなければならないのだ。このような事情から親は平気に「名大いったら、車買ったる」と言う。これは両義に使えるのだ。

@地元の私学(南山以下)に行くより安くすむ。またそのご褒美。

A東大・京大・一橋あたりに行く上記@〜Bまでも不安を解消。名大で辛抱させるためにモノで釣る?

こういう状況になると、「チャレンジ精神」が生まれない。・・_

これは余談になるかも知れないが、名古屋人でも「チャレンジ精神」のある方、例えば、盛田昭夫(前ソニー会長)、梅原猛(哲学者)、イチロー(マリナーズ)等はよそでも活躍。そして、なおかつR先生ご指摘の、

>「出て行かなくても済む」・・`とも言い換えられる。 

^、_、`より、R先生がいわれる「井の中の蛙」型「完全自己完結組織」は形成されると思われる。

・・なんか「三角形の合同証明」でもしているような気になってきました・・ 

ただ、「日本の中の名古屋」は、グローバルにとらえて、「世界の中の日本」の存在と似通っているような気がする。

 

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以上、引用おわり。

なかなかに深い分析である(笑い)。名古屋の特殊性をよく理解されておりますな。皆さんはどう思われましたかな?

さあ、前回に予告したように今回は驚愕すべき学習塾業界の内情をバラしてやろうと原稿を書いていたんだけど、スクールネットさんから「3月までの中学3年生(高校受験生達)は高校生になったので、高校生活に役立つことを書いてやって下さいね」とメールがやってきた(メールを読むまで、原稿を頼まれていたことをすっかり忘れていた)。そうでしたね、世の中、新しい年度が始まっているんですね。だから、今回は高校のことを書いてみようと思う。学習塾業界のことは次の機会に回します。

さて、高校に入学した諸君はどんな毎日を送っているだろうか。私の経験を思い出しながら、その傾向と対策(?)を書いてみよう(笑い)。入学式が済んでからは、しばらくオリエンテーションが続く。色々な説明である。これは退屈至極。んな時間使ってないではやく授業しろよ、である。しかし、これは通過儀礼のようなものらしくやらねばいかんようである。

一週間ほどしたらボチボチ授業が始まる。理科は、第一分野・第二分野がさらにわかれて、物理・化学・生物・地学となる。これらは選択することになってるハズだが、制限もあったりして、高校によって事情は異なるようだ。まあ、理科全般にに言えることは、中学に比べてマニアックな先生が随分多いということだ。マニアックなことは別に悪くないのだけど、理科の得意な先生は理科の苦手な生徒の気持ちも分かんないし、だからうまく教えることができないと思う。さらに、中学で教えている内容を全然把握してないとしか思えない授業をしてくれちゃって、いきなり授業嫌い高校生を量産するのも理科の先生に多いような・・・(苦笑い)。

数学も数Iと数Aに分かれる。数Iは二次関数のグラフ,数Aは式の計算から入るはずだ。最初の部分は中学数学の延長なのでどうってことないだろうが、だんだん難しく感じてきて、数Iは二次関数を平方完成して軸や頂点を求める辺り,数Aは3乗の展開やたすきがけの因数分解辺りでわかんなくなる生徒が出てくると思う。中学の数学をきっちり身につけていない証拠である。まあ、一学期の中間試験くらいは今までのノリでしのげるはずだが、2学期あたりになると理解のあやしい生徒が俄然増えてくる。なにせ高校の履修内容は中学のそれよりもずっと多い。予習や復習をしてその都度身につけておかないと、どんどんわからなくなるのである。参考書の見開きページにのっている公式集を見ないと問題を解けないキミは落ちこぼれ予備軍である。頑張って欲しいものだ。

英語も細分化して、リーダーとグラマーになってるはずである。グラマー=文法であるから、いきなり嫌いになる生徒が多い。かく言う自分もそうだったんだけど、文法=難解なんて先入観をもつからますます難しいのであって、暗記すべきコトをきちんと暗記して取り組めば、文法=科学的構文解釈であることが分かってきてだんだん面白くなるものである。

国語も社会科も量が増えて、扱う範囲も広くなる。長くなるから省略するけれど、この春、高校に入学した諸君はそろそろ高校生活にも慣れてきたころだろう。それと同時に、高校生活はあらゆる面で忙しいと感じているんではなかろうか。また、「中間試験も近いけど、部活でくたくたになってるから勉強なんてしてられない」とか。

そうなのだ。高校生活=青春は大忙しなのである。勉学に部活に恋愛に、大いに忙しがって欲しいと思う。生涯の友となる人間にも出会うことだろう。そういう時期にいる諸君のことが少し羨ましかったりする私である。

ああ、そうだった。勉強のアドバイスをするんだった。自宅学習の時間がなかったら「授業を大切にしろ」。これである。学校にいる時間を有効に使うことだと思う。聞き流すだけでなく、その場で覚える、その場で身につける、そして、誰にも負けない科目を1つ作ること。有意義な三年間をおくって欲しい。

 


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