徒然日記その257. 最近の高等学校 教科書は買っただけ  (8/21)

 

今回は、高等学校で購入する教科書について書いてみる。高等学校は小中学校のような義務教育ではないから教科書は無償配布ではない。つまり、高校の教科書は生徒が自分で購入しなければならないのである。教科書の他にも副読本とか参考書とかで結構な量になるので購入費用は少なくないのであるが、さて、せっかく購入したこれらの教科書は有効活用されているのであろうか。

今回書きたいことは、「多くの高校生が全然勉強しないのでせっかく購入した教科書がもったいない」とかそういうことではない。教科書を選んで買わせた高校への文句を書きたいのである。

どういうことかというと、せっかく購入した教科書を使わないのである。なぜ使わないか。そもそもその科目の授業をやらないからである。なぜやらないのかは大学受験と関係がある。これは私立高校の特別進学クラスでよくあることなのだが、例えば社会科を例に挙げてみよう。社会科には日本史、世界史、地理、政治経済…など多くの科目がある。文部科学省の策定した学習指導要領には、最低限必要な単位数が規定してあるのだが、それをハナから無視しているのである。例えば生徒たちを「世界史で大学受験させる」ことになったら、世界史の授業時間数を増やすために例えば日本史の授業をやらないのである。

社会科だけではない。他の教科でも同じようなことが行われているのだ。大学受験最優先を一概に悪いとは言わないが、視野の狭い高校生を量産してどうするのであろうか。「合格させたらあとは知らない」なんていうのは次元の低い塾や予備校だけで結構だと思うのだ。


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