徒然日記その92. 最近の私立高校--予備校化? (3/26)

 今回は私立高校のお話。愛知県では公立信仰が強いので、高校受験においても公立高校を第1志望とする風潮があり、私立高校は(一部を除いて)公立高校よりも「格下」であるかのような風潮もあった。ところが最近、この風潮が変わりつつある。例えば、レベル的に中堅の公立高校普通科(オール3とオール4の間くらい?)よりも私立高校を選ぶ中学生が増えているのだ。理由は次のようであるらしい。上に大学を持っている私立高校,つまり附属高校ならば大学にそのまま進学できる可能性が高いからである。だから、私立大学の附属高校の人気が高いのである。

 私はそういう考え方に賛成ではないのだが(だって受験がないと真剣に勉強しないと思いませんか?)、では入学後にはどのような学習指導が行われているのだろうか。これは私の知る範囲のことなので全部の私立高校に当てはまるわけではないので予めご承知おきいただきたい。

 ある私立高校のある教科の定期試験。追試組がいつもクラスの半分以上もいる。なぜかというと問題が難しすぎるのだ。教師曰く「この問題で60%とれたらXX大学はなんとかなる」である。その高校のレベルからして半分がXX大学に合格できるとは思えないんだけど。別の私立高校のある教科の定期試験。テスト範囲(教科書の範囲)はあるが、出題されるのは教科書では見たこともない問題ばかり。調べてみたらほとんど全部が大学の入試問題である。これでは多くの生徒にとっては解けない問題の方が多い。だから平均点はやたら低い。毎回こういうことが繰り返されているのだ。

 なぜこういうことになるんだろうか?大学進学実績を稼ぎたいのか?内部進学者数(附属大学へのエスカレーター進学者数)では評価されないので、学外の国公立大学や有名私立大学に少しでも多く合格させたいのではないか。その証拠に、いくつかの私立高校のホームページには大学合格者数が「誇示」してある。ここで考えて欲しいのは、「学力上位層」にあわせた指導のみでいいのか?ということ。「進学実績は学力上位層が作ってくれるから、真ん中以下は学費を納めてくれればそれでヨイ」なんて思っていないでしょうね??あともうひとつ。これは数字のマジックであるが、「大学合格者数」はアテにはならないということ。大学受験では1人の受験生がいくつも受験できるし、実際多くの大学を受験する。旧帝大クラスの国立大学に合格する学力の受験生ならば早慶智(早稲田・慶應・上智)とか関関同立(関西学院・関西・同志社・立命館)を総ナメするのは難しくはないのだ。私も高校3年の時に担任から「私立大学をたくさん受けようよ」なんて言われた覚えがある。高校としては合格者数が欲しいのだ(へそ曲がりな私は国立1大学しか受験しませんでしたが)。


前回で、内容に誤りがありました。お詫びして訂正します。

 誤:願書を受理した私立高校は、その中学校にまとめて受験票を送付してくれるのだ。
 正:代表生徒が受験票をまとめてもらい,自分の中学校へ持っていく。

紛失したのは事実ですから、私が言いたいこともかわりません。

 


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